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錦鯉飼育の薬・薬品について



薬について


薬を使わないのが一番ですが、どうしても錦鯉たちが体調を崩したときは早めに治療してあげましょう。
錦魚の病気はすべて伝染病だと考えましょう(感染しても発病するかはどうかは魚の健康次第。)。
そう考えれば、いかに早めの対策(飼育水の環境改善、設備の改善、適切な薬の投与、等)が大切か分ると思います。
(私たちの世界で伝染病がでたら大変な騒ぎになりますよね〜。)

病気は環境の悪化から錦鯉が弱って発病する場合が多いので、水槽のように水量の少ないものは水を取り替えて、良い環境にするだけで錦鯉の自然治癒力で治っていく場合もあります。

以前は、水槽に直接薬を撒いていたのですが、最近はしなくなりました。というのも、
全体が病気の場合は有効かもしれませんが、かえって環境の変化から元気な鯉まで病気にさせることがあるからです。

最近の私の使用方法は、病気の鯉だけタライあるいは別水槽に移して短期薬浴が多いです。その間に水槽を掃除して水を変えておきます。こちらの方が治りがよいように思います。

詳しい薬の使用法は鯉やさん、錦鯉愛好家等のホームページを参考にしてみてください。
ここよりずっと役に立つような気が〜しますので。なにせ、私は初心者ですので、、。

薬ですので、用量だけは間違わないようにしましょう!!。病気でなく薬で鯉を死なす結果となります。
(ここに記述しているものは、あくまで私見なので、ためす場合は自己責任ですよ。お願いします。)

あくまで病気を出さない飼育が基本です。
(病気がよく出るのは、鯉によりも他に原因があることが多いですので、飼育環境を見直してみましょう。)



薬じゃないけど塩


当たり前ですが、塩は薬ではありません〜、がよく効きます。

しかし、錦鯉に元気がないときに水量に対して0.5%濃度の食塩を加えると元気が戻ってきます。錦鯉は淡水魚なので、外からどんどん体内に水が入ってきます(浸透圧の関係から)。そのままでは、パンクするので水分をおしっことしてじゃんじゃん体外に排出しています。
塩を入れると浸透圧の差が縮まりますし、淡水魚はエラから塩類を取り込めるので、体内の浸透圧調節も楽になります。 身体への負担を減らし、自然治癒力を促進しているのです。結果、元気になってくるのです。

水質を良い環境にして+塩分浴させるだけで 自然治癒力UPにより、軽い細菌性の病気は簡単に治ることがあります。

淡水魚の標準的な浸透圧は0.6%です。ちなみに淡水魚は水を飲みませ〜ん。

ホルマリン、過マンガン酸カリウムとの併用は厳禁です。
ホルマリンと塩は混ざると塩素が発生します。
過マンガン酸カリウムと塩が混ざっても何も起こりませんが効果を考えて別々に使用しましょう。


<私の使用方法>
完全に病気とわかる場合は、塩0.5%+薬を併用します。
病気かどうかわからないときは、塩0.5%を入れて様子を見ます。
最初、0.5%食塩水にするための塩がとてつもなく多量に見えて入れるのに躊躇しまた。
今となっては懐かしい思い出〜。

この程度の塩分濃度では殺菌にはならないと考えています。





ちょっと休憩


細菌にには、目では見えませんが、細菌が持つ(覆っている)膜の種類によって、グラム陽性菌とグラム陰性菌に分けられます。一般的に有用細菌はグラム陽性菌(例、乳酸菌、放線菌、濾過細菌群とかも、)が多く、悪玉細菌はグラム陰性菌(例、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ、)が多いです。(グラム陽性菌でも悪玉菌はいますし、グラム陰性菌でも有用菌はいます。)

濾過細菌は一般的にグラム陽性菌。

一番嫌な病気の部類に入る穴あき病の原因菌とされているエロモナス菌はグラム陰性菌です。





エルバージュ(黄色い顆粒状 抗菌剤)


エルバージュはニトロフラン系抗菌剤で(一般にフラン剤と呼ばれます)
主成分はニフルスチレン酸ナトリウムです。日本では数少ない水産用抗菌剤です。

光に当たると分解していきます。

使用するときは、夜か覆いをかけた状態が良いかと思います。水に溶かすと黄色くなります。薬効がなくなってもなかなか黄色は消えません。

グラム陰性菌に効きやすいらしいです。
(きっとグラム陽性菌にも何らかの影響はあるのでしょう。)

一般的に薬は、1日で薬効が1/2に、2日で1/4に、3日で1/8になると言われているので、3日に1回は薬を入れ直さないといけないことになります。(同じ薬品濃度を保とうとすればです。)

温度が低いと効果が出にくいので、20度以上はほしいところですね。
塩との併用も効果が高いですが、短期薬浴には向いていません。

長期薬浴の場合は、3日に1度半分水換えして、薬を入れなおします。
(抗生剤を入れると、だいたいそのぐらいで水が悪くなってきます。)

スレ(人間でいれば擦り傷ですね。)、尾ぐされなどに良いと思います。
尾ぐされの原因は、ほぼ水が悪くなっているのが原因なので飼育水も綺麗にしてください。

エルバージュも強力な病気(穴あきなど)には効かないのが現状のようです〜(悲)
明らかにエロモナス菌の仕業だと思われる病気には、はじめからパラザンDを使用した方が良いと思います。

<私の使用方法>
スレ(人間でいれば擦り傷ですね。)、尾ぐされなどに使用しています。普通の細菌にはよく効くと思います。
通常の細菌性感染症なら塩とエルバージュがあれば他の薬はいらないでしょう。そこに、メチレンブルー水溶液をちょっと添加して緑っぽい色になるようにしておくと、薬浴水の水質悪化が遅くなりますし効果も高いです。

ただ、エルバージュは使いつくされている感があるので、
フラン剤でも、グリーンFゴールド顆粒(ニトロフラゾン)の方がよく効くような気もします。

好きな使い方は、抗菌剤を入れた水はすぐに腐ってきますし、それを何度もとりかえするのは面倒なので、鯉をタライに移して50〜100g/tで4時間の短期薬浴です。(その間に水槽を洗っておく。)


テラマイシン (OTC散10%)(青緑色の顆粒状 抗生物質)


テラマイシン(OTC散10%)はテトラサイクリン系抗菌剤で、
主成分は塩酸オキシテトラサイクリンです。日本では数少ない水産用抗生物質です。

塩酸オキシテトラサイクリンはStreptomyces rimosusの培養によって得られた
オキシテトラサイクリンの塩酸塩です。

蛋白合成阻害作用を持つ四環系抗生物質でグラム陽性、陰性菌に効果があります。
作用は静菌的。水に溶けやすく、ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、淋菌、大腸菌、クレブシエラ、インフルエンザ菌、リケッチアなど各種微生物に広い抗菌活性を有します。

一般的に薬は、1日で薬効が1/2に、2日で1/4に、3日で1/8になると言われているので、3日に1回は薬を入れ直さないといけないことになります。(同じ薬品濃度を保とうとすればです。)

温度が低いと効果が出にくいので、20度以上はほしいところですね。
塩との併用も効果が高いですが、短期薬浴には向いていません。

長期薬浴の場合は、3日に1度半分水換えして、薬を入れなおします。
(抗生剤を入れると、だいたいそのぐらいで水が悪くなってきます。)

スレ(人間でいれば擦り傷ですね。)、尾ぐされなどに良いと思います。
尾ぐされの原因は、ほぼ水が悪くなっているのが原因なので飼育水も綺麗にしてください。

テラマイシンも強力な病気(穴あきなど)には効かないのが現状のようです〜(悲)
明らかにエロモナス菌の仕業だと思われる病気には、はじめからパラザンDを使用した方が良いと思います。


<私の使用方法>
スレ(人間でいれば擦り傷ですね。)、尾ぐされなどに使用しています。普通の細菌にはよく効くと思います。
塩との併用もOKです。

季節の変わり目(梅雨時前、秋)に餌に混ぜて一週間ほど経口投与させ、未然にエラ病等を防ぐ予防薬的役割の方が適しているような気がします。

好きな使い方は、抗生物質を入れた水はすぐに腐ってきます。30g/tで症状が改善するまで様子を見ます。その前にきっと水が悪くなってくると思われるので、水替えしてまた30g/tの濃度になるようにテラマイシンを入れます。

エルバージュ30g/t+テラマイシン30g/t+塩0.5〜0.6%の混合で1週間ほど様子を見る方法もあります。


パラザンD(透明 液体 抗菌剤)


パラザンDは、キノロン系抗菌剤で、
主成分はオキソリン酸です。日本では数少ない水産用抗菌剤です。

エルバージュと違い光で分解されることは少ない(光に安定)ようです。
エルバージュと似た症状の病気を治療する薬ですが、より対エロモナス菌用の薬と考えても差し支えないでしょう。グラム陰性菌だけを死滅させます。(濾過細菌に影響が少ないです。)


使用方法としては、隔離して綺麗な水での薬浴が基本となります。

一般的に薬は、1日で薬効が1/2に、2日で1/4に、3日で1/8になると言われているので、3日に1回は薬を入れ直さないといけないことになります。(同じ薬品濃度を保とうとすればです。)

温度が低いと効果が出にくいので、20度以上はほしいところですね。
塩との併用すると効果が高いようなので0.5%濃度になるように塩を入れておきましょう。

値段が高いのが欠点ですが効果は高いと思います。
(残念ながら、 新穴あき病には効果がないようです(悲)。)

もう少し安くならないのかな〜。

<私の使用方法>
エルバージュでの治りが悪いとき、明らかにエロモナス菌による病気のときは隔離して薬浴(1週間程度)します。
パラザンDがあるなら初めから使用したほうが確実な気がします。



過マンガン酸カリウム(粉状)


金属光沢を持つ赤紫色の固体で強い酸化作用を持っています。殺菌消毒薬ですね。
水に溶かすと、赤紫色になります。KMnO4

光にあたると分解していきます。

効果としては、 細菌、繊毛虫類、 鞭毛虫類に効きます。
(甲殻類には効きません。イカリ虫、ウオジラミ等)

錦鯉全体に真っ白になる(俗にいう風邪引き)に有効です。
池全体に撒くと、当然池の環境が激変しますので、
(濾過槽のバクテリアも死にます)注意してください。

全部の病鯉が入るような、タライ・FRP水槽での隔離、薬浴が良いと思います。
全部入らない場合は、池全体に撒いた方が良いかと思います。するなら中途半端はいけません。

水温が低いほうが効果が高く出ます。

池ごと消毒するときは撒きっぱなしでOK。夜、添加して朝から差し水で良いと思います(効果は4〜6時間といわれていいます)。色素剤ではありませんので色が残っていても効果は切れています。
日光が当たると効果が弱まるので、夜に散布するのが理想的です。

使用後、差し水をしても赤紫色がなかなか消えませんが、こればかりは我慢しましょう。
他の薬との併用は厳禁です。塩もダメです。

過マンガン酸カリウムと塩が混ざっても何も起こりませんが効果を考えて別々に使用しましょう。

<私の使用方法>
風邪引き鯉の消毒。
FRP水槽の消毒。
傷口・化膿部分の消毒((傷口を綺麗にしたあと、綿棒で塗っています。 ) 水に戻してもなかなか消えません。

通常は2〜3g/tで終日薬浴(撒きっぱなし)します。(夜にいれて、朝には効果がなくなっているので、差し水していきます)。3gは限界値に近いです。2.5g/tぐらまでに抑える方がよいです。

新しい錦鯉の購入時、すぐに水槽に入れる(入れたい!?)場合の消毒(寄生虫の駆除)に使うことが多いです。
使い方としては、5g/t 1時間薬浴がお気に入りです。

200g/t 5分間の超短期薬浴もありますが、当歳では薬がきつくてできませんし、5分間というのは以外と短くバタバタしてしまって、焦ってしまいます。また、エラ病を起こしていた場合、短期薬浴で死ぬことがありますが、残念ながらそのような鯉は早かれ遅かれ死んでしまうと思います。



ビオトーク(液体) + HM1(液体)


ビオトーク(安定化二酸化塩素は次亜塩素酸ソーダなどの塩素剤とは異なります。)
効果は、過マンガン酸カリウムとほぼ同じです。過マンガン酸カリウムは水に溶かすと赤紫色になるので(一度撒くとなかなか色が消えない)、それに対しビオトークは無色透明なので使いやすいかも〜。

気をつけることは、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム水和物)と反応(ビオトークの効果がなくなる。適正濃度が保てなくなる。)するので、ハイポをいれた水を使用するのは避け、置き水あるいは井戸水等、塩素の抜けた水で使用しましょう。

ビオトークは塩素の2.6倍の酸化力を持ち、酸化型の遅効性殺菌消毒剤として持続性があります。殺菌の原理は二酸化塩素の酸素原子が細胞膜のタンパク質と反応することによるもののようです。安定化二酸化塩素は水溶液の形で極少量のClO2を遊離し、それが消費されれば継続的に補充される特性を持つことから、殺菌・消毒の効果が持続される仕組みらしいです。

製造元 助川化学

スレ(人間でいれば擦り傷ですね。)にも有効です。
0.5%塩+ビオトークを入れておくとエラ病にも結構効果があるみたいです。
(どこかの鯉やさんで聞きました。)

強力ですので使用には注意しましょう。塩素で殺菌していない点がポイントです。

<私の使用方法>
スレの治療。
新しい錦鯉の購入時の薬浴(1週間程度)に使用しています。40cc/t
池、FRP水槽、ガラス水槽全体の消毒。巻きっぱなし。 40cc/t


メチレンブルー(粉状)


水カビ病 、白点病(イクチオフチリウス 繊毛虫類)の治療薬です。
錦鯉では白点病以外には、まず使わないと思います。

水に溶けると綺麗な青い色になります。

光に当たると分解していきます。

白点病は、1回では駆除できないので(成虫にしか効かないため)、
1週間おきに3回ぐらい繰り返した方が良いと思います。

色素系薬剤なので、色がなくなった時点で効果がなくなったと考えて良いと思います。
使用するときは濾過槽を止めましょう。そうしないと濾材が吸着してしまって効果が半減します。

酸素と結合して酸化する作用があるので、エアレーションを必ずしてください。

<私の使用方法>
白点虫の駆除
傷口・化膿部分の消毒(傷口を綺麗にしたあと、筆や綿棒で塗っています。)
水が腐るのを遅らせるために入れることもあります。



マラカイトグリーン(粉状 結晶)


成分は、マラカイトグリーンしゅう酸塩、C52H54N4O12

水に溶けると綺麗なブルー+グリーン色になります。
(溶けにくい場合はお湯で溶かしましょう。)

光に当たると分解していきます。

ツリガネムシ病(エピスチリス症 )の治療薬として使用するのが良いと思います。
強力なメチレンブルーみたいな物なので、水カビ、白点病(イクチオフチリウス 繊毛虫類)にも効きます。

ツリガネムシは、なかなか1回では駆除できないので1週間おきに3回ぐらい繰り返した方が良いと思います。しつこいですよ〜。薬浴するより患部に直接、綿棒等で塗った方がはるかに効果がたかいと思います。

魚毒性が強く、発ガン性が疑われる物質なので取り扱いには注意しましょう。
(温度が高くなると魚毒性が高くなります。)

色素系薬剤なので、色がなくなった時点で効果がなくなったと考えて良いと思います。
使用するときは濾過槽を止めましょう。そうしないと濾材が吸着してしまって効果が半減します。

酸素と結合して酸化する作用があるので、エアレーションを必ずしてください。


<私の使用方法>
ツリガネムシの駆除に使用します。マゾテン20%液との混合薬浴が効果的です。ツリガネ虫がマゾテンでダウンするのか、マラカイトグリーンでダウンするのかの判断は難しいです。ただ、色素系の薬は水の腐敗を防止しますから、これが混合時の一番の効果かもしれません。

白点病とツリガネムシの見分け方は、前者は小さな丸い白い点々(円状)が点在するのに対し、後者は米粒大の点がつきます(円でなく楕円みたいな感じ)。結構、大きな点です。 どちらも体表に着いていることを確認してください。



マゾテン20%液(液体)

トリクロルホンを100ml中に20g含む薬品です。
ウオジララミ、イカリムシ等の甲殻類、ギロダクチルス、ギロダクチルス等の吸虫類の駆除薬です。甲殻類によく作用するようです。

有機リン系殺虫剤で幼生にしかききません。ですので、週をおいて何度か繰り返すのが良いと思います。神経系の機能に必要なコリンエステラーゼ酵素を阻害するみたいです。

使用量を違えると神経を侵して奇形(ギク)になります(背骨が曲がったりします。)。ですので、水槽内の一部の濃度が高くならないように均一に散布する必要があります。バケツに薄めて撒くとか、、。
また、水温が高くなると魚毒性が強くなるので注意しましょう。

<私の使用方法>
魚が身体をこすりつける場合に、メチレンブルーあるいはマラカイトグリーンとセットで使用しています。



ねむーる(液体)

麻酔薬です。においも少なくとても使いやすいです。
鯉の治療には欠かせない物です。

麻酔剤FA-100という麻酔薬もありますが、こちらは臭いがきついです。
ねむーるの方が、 FA-100より効き目がマイルドの様な気がします。


 ※ 鰓病の鯉には使用してはいけません。

<私の使用方法>
タライに必要量いれて使用しています。




番外

乾燥南天(葉っぱ)


薬ではありませんが、穴あき病・新穴あき病に効果があるといわれる薬草!?です。
(新穴あき病はエルバージュ、パラザンDでは治りません。)

お寿司屋さんが見つけた様です(スゴイ)。ホームページもあります。
(これらについて真実かかどうかは、自分でためせば良いことだと考えています。)

一旦穴あき病を発病した鯉は宿主となってじゃんじゃん菌を撒き散らしているので、1匹発病した場合には、池中がキャリア鯉(保菌鯉)になっていることが多いです。こまったことに、結構見つけにくい病気なので発病した鯉を発見したときには他の鯉も発病していることが多いです。

錦鯉を飼育している方で穴あき病の恐ろしさは知らないと思います。
ただ、エロモナス菌に関係する病気は、条件が重なったときに発病する条件性の病気とおもわれるので、一度、水が悪くなる原因がないか考え飼育環境を見直して見るべきです。

こんな厄介なものが南天で治ればこんなうれしいことはありません。

<私の使用方法>
20Lの水に、煮出し乾燥南天(10gを1.5Lの水で煮出した物)をいれ、薬浴させます。

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