コイパーク総合メニューに戻る

コイパーク流 簡単な錦鯉の解説・説明


一応ジャンボ指向
の私はこのように思っています。自分もまだまだ初心者なのですが、初めて鯉の世界に足を踏み入れた方の指針になれば幸いです。とにかく、錦鯉の世界は知っているか知らないかの部分が多いのです。ぜひ参考にしてください。また、考え方の見方の方向性の違いもあるかも知れませんが許してね。よろしくです。



27 錦鯉の顔や手ヒレの二番緋の取り方


紅のしっかりした鯉には、成長の過程で(けっこう高い割合で)顔の部分や手ヒレの上に二番緋が出てきます。 しっかりした紅質を持ちながら二番緋が出ないのは素晴らしい鯉ですが、そのレベルの鯉は数少なくほとんどの人が手にすることが出来ないと思います。次がしっかりした紅質をもつため2番緋が出て、その二番緋がそのまま模様になってしまうタイプと、出た二番緋が消えていくタイプといます。しっかりした紅質を持つ鯉としては、これらがレギュラータイプだと思います。

紅質が悪い鯉は、二番緋がでないか、二番緋が場所を変えながら出たり入ったりすることが多いです。場所を変えるということは、紅が動くということですから、紅が安定していない状態でもあります。ちなみに、紅質が悪くて二番緋が出ない鯉よりは紅がしっかりしているので二番緋が出てくる鯉の方が、錦鯉としての実力は間違いなく上です。長持ちする鯉ということになります。

二番緋との付き合い方には2通りあって、二番緋を気にせずそのまま飼育するか、二番緋を取ってしまうかです。ちなみに私は前者でほとんど気にならないので自然のままにしています(模様になったらそれでOK)。よく、品評会等で見かける鯉には二番緋が出ていないという話を聞くのですが、素晴らしい鯉すぎて出ない鯉か、出た二番緋を取ってある鯉なだけです。素晴らしすぎる鯉は世の中にそういませんから、後者の方が割合的には多いと予想できます。

考え方はそれぞれですが、成長の過程での二番緋を嫌うあまり、紅質の良い鯉をせっかく手にしているのに、その鯉が嫌いになってしまうのであれば、二番緋を取ってしまった方が、飼育者さんにも、鯉にとってもメリットのあることだと思っています。取る選択肢以外だと、紅質の落ちる鯉を買うようにするか(成長の途中で緋盤が崩れることが多い)、二番緋が出た鯉は放出するより方法がありません。

二番緋の特徴をよく理解して(紅のしっかりした鯉には出やすい)、飼育者としてうまく付き合うことが大切ですね。育てている鯉が嫌いになるぐらいであれば二番緋は取ってしまいましょう。ある程度の大きさの鯉ですと販売前にすでに二番緋を取ってくれてある場合があるので、気になるようであれば購入時に聞いてみて下さい。本当に二番緋が出ない素晴らしい鯉と二番緋をとってあるから二番緋がない鯉では、その価値がちがいます。

二番緋は、簡単に取れますので、飼育者みずから処置できるようになっておく程度のものだと思います。取り方を紹介しておきます。鯉をいじめるためにしているわけではありませんから、大切な鯉に負担がかからないように麻酔をして処置してくださいね。ただ、鯉にメスを入れる点だけを判断材料にすれば、整形も、二番緋取りも同じ土台になります。このあたりのは各個人で判断して下さい。


Photo1
この写真を見て二番緋を確認してみてください。小さいときには全くなかった緋がエラブタと手ヒレに出てきています。こまま放置すると、エラブタの二番緋はそのままこの形の模様になると思います。

用意するもの。
麻酔、手術用(解剖用)バサミ、ひげそり用の長柄のカミソリ、メス(クラフトナイフでOK)だけです。

まずは鯉に麻酔をかけましょう。写真の鯉は麻酔がかかった状態です。

Photo2

ひげそり用の長柄のカミソリを購入してきて、刃だけを取り出し、写真のようにUの字に丸めて、二番緋を薄く取っていきます。この方法だと二番緋を薄く削り取れるので仕上がりも綺麗です。

Photo2拡大
Photo2の拡大写真です。
二番緋の薄皮一枚がうまく削り取れている様子がよく分かると思います。長柄のカミソリの刃を使うのが、とても綺麗に処置できるそうです。カッターとか、ナイフで削ったらダメですよ。

Photo3
エラブタの2番緋にそって、取り進めていきます。Photo1と比べてもらえれば分かりますが、二番緋がかなり取れてきています。ここまで5分ぐらいの作業時間でしょか。

Photo4
エラブタの後半には、目で見て分かりにくいのですが、縦に溝がはしっています。この筋に気が付かず取り残しをしやすい箇所です。綺麗にとっておかないと二番緋がまた溝の内側に再生されやすいので丁寧に処置しましょう。よく取り残されて(溝に気が付かず!?)、すじ上に二番緋が再生されている鯉を見ることがあります。そんなカッコ悪いことになるぐらいなら取らない方がよい気がします。

メス(クラフトナイフでも可)の先を使って溝の中の薄皮を取り除いていきます。

Photo5
エラブタの終盤の段差が大きい部分は、表皮を手術用(解剖用)バサミで切り取っていきます。丁寧な処置は仕上がりの綺麗さにつながりますので、道具を使い分けながら丁寧にいきましょう。

このハサミは眼球手術用です。

Photo5拡大
ハサミの先端を使って表皮を切り取っています。

Photo6
手ヒレの二番緋の処理です。ハサミの先端を使って、ヒレの上皮部分を二番緋ごと切り取っていきます。写真は右ヒレです。


Photo7

ヒレの二番緋をほとんどすべて切り取った所です。小さく残っている二番緋も丁寧に処置していきます。

Photo8
左手の処置中です。小さな二番緋を切り取っているところです。ここまでで15分ぐらいだと思います。

以上で終わりですので、処置が終わったら鯉を池に戻してください。一回の作業時間が長くなるようでしたら、日にちを分けて処置する等、無理しないようにしてください。

池の水の調子が悪いときに処置すると、傷口が炎症を起こすことがあるので気をつけましょう。水温の低いときに行うと、患部に水カビ等の感染症を起こすことがあるので、鯉の体力がある温度が上がった時期にしてください。傷は浅いですからすぐに治っていきます。

2番緋は一回の処置ですべて取りきれなくて、また薄く出てきたりもします。そのため出てきたら再度処置をするを繰り返していくと、徐々に出てこなくなります。


26 錦鯉の良い体形(紅白)


頭側から
2才50cm強
側面側
2才50cm強

私が思うに、良い体形の鯉(紅白)とは上の写真の鯉のようなだろうと思っています。体形だけはすばらしく良い部類に入るかな〜と思います。頭から尾っぽにかけて、潜水艦タイプのラインを持っていて、ラインもなめらかに曲線を保っています。メスですがおなかのラインもしまっています。特に尾びれの辺りのお腹周りがボッてしてる鯉が結構います。気になるかな〜という程度ならいいんですが、、普通に気になるようであればそれは腹ボテ鯉です。それは良い体形とはいえません、体形的にはレベルが落ちる鯉です。この紅白はメスで50cmちょっとでこの体形を持っています。寸胴な感じもありません。この体に好みの模様がのれば最高ですよね。この鯉は体形は良いのですが、他の鯉に比べて紅質が落ちるので、3歳に残らず、2歳落ちとなってしまいました。

紅質のいいタイプでこの体よりは落ちる体形の鯉と、体形に勝っているこの鯉と2匹いたのですけど、私はこちらの体の良い鯉を選びました。体形の良さは、ずーと先、緋盤のピークがすぎた後でも体で見せる鯉になりますが、紅質優先ですと、緋盤のピークがすぎたときに楽しむ要素がなくなってしまいます。私は長く楽しめる鯉がすきですから、楽しめる要素が続く鯉さんが好きです。

たまに頭が小さく、頭の後ろの体だけ幅がついて、ヘビが卵を飲み込んだ感じの鯉とかもいますが、そういうのは頭からのラインがなめらに曲線を描いていませんから体形は悪いです。ボリュームがあるのと良い体形は違いますから注意が必要です。

この紅白のような体形になるのは、無地物、光物と御三家(紅白、大正三色、昭和三色)では紅白かな〜と思います。大正三色、昭和三色ではこういう感じにはなりません。大正三色は潜水艦でなく、頭から尾っぽまでズどーんと丸太(土管!?)みたいな感じ、昭和三色は大正三色よりは潜水艦タイプになりますけど、ちょうど中間あたりというか、ラインの曲線のなめらかさが足らない気がします。

無地物、光物は模様で勝負しませんから体形の良さはすばらしいものがありますし、もっともよい体形を誇っている品種ではないかな〜と思います。大きくなりやすい要素より、良い体形を持つという要素がもっと大きく評価されて欲しいな〜と思っています。体形がいまいちの無地物ほど楽しめないものはないですしね!。

紅白って、模様もあって、無地物、光物には及ばないにせよ、御三家の中でも抜群の体形を持っていると思うし、すばらしい品種だな〜といつも思っています。紅白は模様に注目が集まりがちですが、(模様をもつ他の品種にはない)体形の良さにも、もっと注目して楽しんでほしいですね。


26 錦鯉仲間のKa1さん家 錦鯉の産卵後の風景


鯉友達Ka1さん宅の産卵後の様子を見せてもらいにいきました〜。平成17年5月5日産卵です。子どもの日です(^^♪。
丸プールでの産卵です。5月4日にオスメスセットして翌朝産卵しました。
今年は紅九紋竜と九紋竜のかけあわせです。もう1匹、メスの九紋竜(写真はありません)も一緒に産卵させてあります。
メス2匹だったから!?オス親はお疲れモードでしたががんばりました。血筋的にはいい流れの九紋竜の血が入るようです。


産卵・孵化用丸プール

水面

卵びっしり

拡大写真

底にもいっぱい

メス親

オス親
 

一番の特長は、産卵用にホテイアオイを使用することでしょう。ホテイアオイに生ませる最大の利点は、卵の移動がしやすいということです。産卵仲間同士で卵のやり取りをする場合でも、ホテイアオイを一つポンと取り出してビニール袋(少々水を張った)に入れて渡せばOKです。
自宅でも卵の数合わせをしようと思えば、必要分のホテイアオイを他の丸キャンパスにでもポンと移せばOKです。

ホテイアオイ一つで、どれだけの毛子が生まれるのかわかりませんが、産卵数が推定18万個はあるようですので、何千ぐらい!?になると思います。正直私の家のような環境ですと、ホテイアオイの根の一本あれば十分な毛子(何百匹)が孵化するはずです。

通常は産卵後4〜5日で孵化するようです(水温によります)。ヒーター入れて孵化を早めるようです。


25 私の基準鯉


大正三色 75cm 2005年4月撮影

大正三色 75cm 2005年4月撮影


このHPで私が、いい鯉になってほしい〜とか良く書いている鯉って、よくよく考えたら、私の頭の中ではイメージされていますが、文字にすると画像で伝わりませんので、各自のイメージで文書が理解されている部分もあるかも!って思いつきました!。

私が描いている良い鯉のイメージってこういう鯉たちのことです。これはすでに大きくなっていますが、実際にこのようになるならないはべつとしても(生き物なので100%はありえませんし)、このようになる可能性がちょっとでもある鯉が好きなのです〜。残念ですが、ちょことでもなる確率をもつ鯉の方が少ないです〜。

もうジャンボ級ですが腹ボテでなく、緋も明るく、何より幅があります〜。この鯉の魅力は幅ですよね。大正三色ではなかなか幅がでません。メスですので抱卵していますが、おなかのラインも素直です。これが大正三色のジャンボの良い体型です(ズどーんと土管みたいな感じ)。ジャンボでも腹ボテ鯉は多いので、そういうのは私の中では良い鯉のイメージに入っていません。おおきいからすごいとは思いますよ。

2才購入で、飼育環境は10t池です。野池は今までに1〜2回ぐらい入っているはずです。これぐらいの池があれば十分ジャンボにできる見本と考えてもいいでしょう。池の水量というのは鯉の数を決める値のようなものです。10t池なので80cmオーバーにしていこうと思うと10本が限界だそうです。毎年1cmづつ伸びたら5年で80cm突破です。特別な飼育方法などなく、シーズン中だけ、咲ひかりを食べているだけです。良い鯉ってそういうものだと思います。この鯉はだから最上級〜。あーだこうだと手をかけて育てないといけない鯉は、いい鯉であっても上級であって最上級ではないかな。

私がいい鯉になってくれるとうれしいな〜といっている先は、こういうイメージであるということです。ただ、こんないい鯉になるのは滅多にいません〜、それも間違いない事実です。


24 昭和三色の成長〜


写真1
2004年3月末


2003年生まれ 当歳
オスメス不明
25cm前後

Kさんオーナー

写真2
途中経過 時期2004年10月!?


49cm前後

Kさんオーナー
写真3
2005年4月19日


51cm前後 メス

Ka2さんオーナー

素晴らしい(成長がね)昭和三色の成長の様子です。当歳〜2才3才というのは大きさが伸びますから、変化の大きい時期です。写真3をみたら誰がみてもいい鯉になっているな〜と感じると思いますが、私は、写真1→写真2→写真3の成長を楽しんでもらいたいと思っています。写真2から写真3への間は、冬ですので餌切りしています。ただ水温が低い分、墨が浮いてメリハリがはっきりして見えますね。この変化が鯉の醍醐味だと考えています。

写真3も秋になったら60cmは超えてくるとおもわれるので、また変化しているはずです。今綺麗な鯉を購入して楽しむのも鯉の楽しみ方の一つかもしれませんが、綺麗になっていく鯉を育てるのも楽しみ方の大きな流れの一つになって欲しいと考えています。

うちの鯉はこのようにならんぞ!?という方は、簡単に言えば、購入時がピーク(一番綺麗)な鯉だっただけのことです。だからそれ以上には綺麗になれないだけのことです。

育てて楽しみたい方には、ある程度の形質(質)がある鯉でないと、その後がついて来れません〜。形質(質)といってもいろいろな要素があるわけですが、最低、体形と緋質さえあれば、何とかなる気がします。要素がそろえばそろうほどいいですけど、値段も張ってしまうので、そこは自分のライフスタイルと相談です〜。

写真1と写真3では、別鯉ですよね〜。私なんかは、変化を伴うのが鯉だし、それが鯉の大きな魅力になっているという意識が年々高まってきていますので、こういう流れが自然な気がしてしまいます。写真3ぐらいになるといろいろな人の目に止まるようになったりしますが、写真1の時にはなかなか目に止まらないということが不思議です。写真3みたいな鯉が欲しい人なら、写真1の鯉を買って一年育てればいいだけのことなんですよね。

当歳のみてくれだけで判断していては、鯉は先につながりませんね。これは、御三家に限らず、鯉全般に当てはまることだとおもいます。


23 錦鯉の形質(質)を鑑賞する。


A 2004年生まれ、2005年3月購入 B 万一怪我をしたら、、!?

鯉にはいろいろな楽しみ方があると思いますが、私は形質(質)を鑑賞するタイプです。上の鯉は、形質(質)を鑑賞するタイプの方にしか、一般的には楽しめない鯉だと思います。私的には超お気に入り、何が良いって鯉の輝きがよい。緋質は素晴らしいものを持っています(写真では赤みが強いですが、実際は内から輝くオレンジ風味の紅です)。破綻する理由の見つからない鯉ともいえるでしょう。見ていて安心感を与えてくれます。

形質(質) を鑑賞する場合、(紅白でいえば)重要なポイントは、体形、肌の透明感、紅質でしょうか?。肌の色でなく透明感がポイントです。色は成長すれば白く抜ける場合もありますけど、透明感は後に変化することはまずないからです。

たとえばAが怪我をして(塩ビ管に突っ込んだとか)Bのような感じになってしまったとして、形質(質)を鑑賞する場合、何か変化することはあるかといえば何もありません。AであってもBであっても同等です。模様を考慮すればAとBは別になります。模様が変化していますのでね。怪我をしてもいい鯉はいい鯉。だたしない、させない方がいいに決まっています。

私にとって、質感というのはとても大切にしている要素で、高い質感は鯉が輝くのでとても綺麗なのです。その綺麗さに惹かれてしまいます。鯉が綺麗だから好きなんですね〜。不思議な話しですが、鯉が輝くと周囲の水も輝いて見えるので鯉の輪郭がぼやけて見えます。反対に輝かない鯉というのは、輪郭がはっきり見えます。輝いている鯉というのはその存在感自体が他を圧倒する力をもっています。

違う観点からみて、たとえば、模様を鑑賞するタイプの方から見たら、この鯉は0点かもしれませんし、形質(質)を鑑賞するタイプであれば、(私の好みで)80点ぐらいはあるでしょう。

写真では100%とらえることは出来ませんが、輝き、体形の素直さ、緋の厚みやわらかさ、堪能してください(フラッシュをたくとどうしても緋は赤く写りがち)。どこにでもいそうな鯉ですが似て異なる鯉というのはこういうものです。
この鯉は私にとっては宝物みたいなものです。すべてが上質なんですよね。

ちなみに、
形質(質)を鑑賞する場合から見ると、一番いただけないのは輝きのない鯉でしょうか?、輝きってどの鯉もありそうですが、こりゃスゴイと思えるのはそうそういないものです。輝きはぬめりの厚みではありませんし、透明感のある肌によるものだろうと思っています。というのは、年をとって緋盤がにじんだり、飛んだりしても、輝きのある鯉はいます。やっぱり良い鯉なのですよね。全盛期はどんなのだったろうと想像してしまいますね。

日記にもかきましたが、我家の鯉は輝きのある鯉が増えてきました。勝手にでなく、わざと集めているから集まってきているわけですが、それらがあつまると、池全体、水槽全体が、明るくなります。その美というのは人工ではなしえない素晴らしさがありますね。


22 錦鯉の成長は拡大コピーではありません〜。


当歳(明け2才) 2002年4月

2001年生まれの昭和三色
白山養鯉場産
途中経過 時期不明


2004年冬 66cm

体にこだわるKさん宅の昭和三色の成長の変化です。一番右の最新の写真を見てもらえば分りますが、この写真をみれば誰が見ても良い鯉です。まだまだピチピチこれからの鯉です。墨もこれからでしょう。とにかく体型がすばらしいと思います。しかも、この鯉、実はオスです。当歳からの購入でメスっぽいな〜と思いつつ、結果としてオスだった鯉というわけです。この鯉のオーナーは2人いて、1人目が当歳(明け2才)で購入、その後、途中経過の段階でKさん宅へきました。途中経過の痩せている状態から、大きくした訳なんですが、写真を見ていると別鯉のようです。幅が付いて側面の白地や緋盤が出てくることによって模様は形成されます。鯉は拡大コピーのように大きくなりません。必ず変化を伴います。それは紅白でもおなじです。

この当歳(明け2才)の写真でも、良い当歳の見本みたいな鯉です。たぶん、写真ですので緋盤が赤いですが、実際はもっとオレンジ色だったと思います。すばらしい体のライン、太い肩幅、そして肌、緋キワ、紅質、墨も少ないですが良質なものがチョロって出ています。こんな当歳そんなにいないはずです。このと当歳鯉(明け2才)に関しては作り手が自信をもって譲った鯉です。作り手はよく見ているな〜と感心させられますが、結果もちゃんと出つつあるところがさすがです。オスメスに関しては分らなかったということです。当歳のオスメスは質が高いほど難しいです。メスらしいオスタイプが難しいですね。

私は、同じ飼うなら(餌代も同じ、維持費も同じ)、このように良い方向に変化して成長する鯉を楽しみたいと考えています(私だけかな!?)。
私が質にこだわるのは、鯉は生まれ持った形質(質)が、将来を形成するのにもっとも大きな割合を占めると考えているからです。あとは鯉の成長を妨げないように飼育するだけです。

ベテランと初心者の大きな違いは、鯉をうまく育てるのではなく、水をきちんと作れて病気をださないとか、死なせないことが出来る点が大きな違いだと考えています。鯉にブレーキをかけない飼い方ができるかどうかだと思います。後は鯉が勝手に良くなっていってくれます。

上の鯉も当歳で死なしたら右の写真のようにはならないわけです。ただ、 どんな鯉でも勝手に良くはなりませんので、良くなる鯉を手にすることが出来るかどうかの問題になってくるかと思います。つまりそれは形質(質)の見極めであり、質鯉を買うことができるかということです。

現状を買うのでなく、将来も見越して買うわけですね。ただ、このあたりは、鯉の楽しみか方にもなりますから、自分の好きな鯉を飼えば良いと言えば良いわけですけど。ただ、右のような鯉を飼育してみたい(将来そうなってほしい)と思う場合はポイントをおさえないと無理でしょう〜という話です。


21 錦鯉仲間のKa1さんの子取り方法。 グッドアイデア


Ka1さんの子取りの仕方はなかなかユニーク。でも結構合理的だと感じています。必要な物は、丸キャンパス(プール)が2個とそれが置けるスペース、あと水草のホテイアオイです。大体6月ごろに産卵させるみたいです。5月ぐらいになると、いろいろな店先にホテイアオイが販売されます。それにあわせて、1つ丸キャンパスを作って水をはります。そこにホテイアオイを入れて産卵に向けて増やします。

産卵時期になるとホテイアオイもかなり増え、丸キャンパスの3分の2ぐらいが埋まるそうです。また根もかなり伸びているそうです。

産卵させるときになると、もう一つの丸キャンパスを作り水を張って、メチレンブルーで消毒したホテイアオイを移しいれます。そして親鯉をそこに入れます。オスもメスも一緒に入れてしまうそうです。 ホテイアオイが入っていた丸キャンパスは綺麗に洗って水を張っておきます。

親を入った丸キャンパスは水が変わるので1日2日でホテイアオイの根に産卵するそうです。メスは産卵が終わったと思っても、卵が全部出るまで少々時間がかかるようです。以前、Ka1さんはそれを知らずに、池にメスを戻して大変なことになったそうです。池のオスがどどどっとメスに向かって押し寄せてきたらしい。

産卵が終わったら、必要な分のホテイアオイだけを元々ホテイアオイが入っていたキャンパスに戻します。産卵させた丸キャンパスは綺麗に洗っておきます。このとき、卵が欲しい方がいたらホテイアオイごと差し上げるそうです。卵の量をホテイアオイの数で調整できるのでとても便利な上に、卵を分けるのも便利です。

産卵させた丸キャンパスは洗って水を張っておきます。

丸キャンパスで毛子が生まれたら、洗って水を張っておいた丸キャンパスに毛子だけを掬って入れます。万単位は入れるといっていました。その後、その丸キャンパスで稚魚飼育が始まります。ミジンコを取ってきて食べさせるわけですね。

毛子はとても強く、生まれて4日目が一番強いらしいのですが、一週間はビクともしないらしいです。掬って隣にポチャンでOKのようです。この期間は温度あわせなんかも要らないようです。通常は田んぼに放すわけですから、産卵場所と田んぼでは温度がぜんぜん違います。それでも、掬ってポチャンでOKです。

とても賢い方法だと思っています。水槽は何を使っても良いですが、ホテイアオイの根に生ませるのがミソです。キンランのように洗う必要もないですし。丸キャンパスならシーズオフはたたんでしまっておけますしね。

自分も産卵させて、稚魚を育てたくなってきます〜。徐々によい親鯉とめぐり合いたいと思います。面白い種類が取りたいですよね。すきなのは大正三色でなので、一度はチャレンジしてみたい。大正は難しいっていわれているけど、、、。まあ、時期が来たら気楽にチャレンジしてみたいです。



20 2匹の昭和三色の違い

 

1、昭和三色 28cm オスメス不明
明け2歳

2、昭和三色 28cm オスメス不明
明け2歳

ここに2匹の昭和三色がいます。1と2では、1のほうが形質がはるかに高いです。そのすべての鍵を握っているのが、1の肌のよさです。柔らかいながらも透き通るような白地、それに加えて緋の明るさは特質すべき点です。体形も1の方が微妙ですが素直です。そのように判断すると2の鯉が悪い鯉のように見えますが、たぶん1匹だけでみればレベルは高いはずです。

2のレベルの高さを感じさせない1の鯉がすばらしいわけです。ただ、本領発揮するには5年ほどかかると思います。当歳ではたぶん墨はほとんど出てなったと思います。細部にちょろちょろっと出ているだけだったと思います。

この大きさの昭和で大切なのは墨模様ではありません墨質です。すべての鯉に共通する第一の形質(質)は体形です。これは、どちらも合格点です。大きくなる体形です。ただ、1のほうが体のラインが素直です。次に昭和の場合、白地のよさを見抜きます。そしてその上にのる紅質の色合いでなく均一性をみます(紅の色は親によって違いがでます、色揚げを与えているところは分かりにくい)。

白地のところで、1に対して2は劣ります。紅の均一性はどちらも合格点ですが、紅の明るさで1に対して2は劣ります。墨質に関してはどちらも合格点です。微妙な差が一生抜けない形質(質)の違いとなります。ですので、微妙な差とはいえ一生抜けないものですから値段に反映します。

鯉は上を目指せはキリがありません。2より1はいい。1以上の鯉もいます。良い鯉を見抜いた上で(鯉を見るのはタダですしね。)、自分の購入で来る範囲内で楽しめば十分だと思います。どちらも良い鯉であることは間違いないことです。比べ始めれば鯉にはキリがありませんし、2の鯉も「質鯉」といっても十分問題ないレベルです。ただ、1の良さは私に電気を走らせました。ただ、2の鯉の良さも理解して欲しいと思います。普通の昭和と比べれば2も引き立つ鯉ですよ。鯉は相対的なものです。

2の右ヒレ、半年ほどで治りました。


19 錦鯉の稚魚 トビ


稚魚を育てていると、必ず他の鯉よりもグッと大きい稚魚が出ます。それをトビといいますが、大きいからといって選別で残しても、大した鯉にはなりません。ですのでトビは選別外です。トビになるのは、たまたま良い場所にいてたくさん餌を食べたのか、遺伝的に大きくなりやすいのかはわかりませんが、トビが大した鯉にならないのは経験上から分かっているようです。トビだけを分けて育ててもダメなようです。

理屈は分からないのですが、稚魚の時点では、伸びる時期に伸びる鯉が良いようです。本来稚魚の平均的な成長スピードを超えているということは、本来とはちがうということです。もしかすると、初期の当歳もそうかもしれません。妙に大きい鯉を買っても、のちのち伸びるとは限りません(途中で止まる)。結局は、普通の鯉たちより成熟が早い分、大人になるのも早いのでしょう。超早咲きで終わっていくのだとおもいます。

トビはまずオスです。結局、オスは性格が荒いですので、餌をうばう、共食いする、等、餌を単にたくさん食べているだけで、稚魚のうちの餌の量の違いはすぐ体にあらわれるので、それで、大きくなってしまっているだけかもしれません。


18 池の作り方。塗料


やはり、池には塗料を塗った方が良いです。ブロックで積んだらモルタルを塗ってもらいますし。型枠でしたらコンクリートむき出しですが、そのままですとコンクリートのアクが出続けるようです。それならば、塗料を塗ってあくを止めたほうが良いですね。塗料は市販のものでかまいません。防水性の高いもので水性であればまず問題はないと思います。塗れば完全とはいえませんがアクがかなり止まりますので、注水量を減らしたり、止めたり出来ますが、塗料が塗ってないと注水を止めることは出来ません。コンクリートむき出しでも、サヤミドロが生えればそれがコーティングの役割にもなりますが、塗料を塗った方が手っ取り早いです。


17 池の作り方。基本。



上部側

ここから水が吸い込まれます。




底面側

ここから水が出ます。



あくまで基本であって自分で作ろうという話だけでなく、業者さんに頼んだときも、伝えておきたい事柄です。

池の作り方の基本についてです。一番気をつけなればいけないのは、排水面の高さです。排水面よりも濾過層が下になると、完全に水を抜くことが出来なくなります。水中ポンプで水をかい出せばよいという考え方もありますが、面倒なのは事実です。池は排水面より下でも良いです。万一、濾過層のパイプが抜けたときでも、池の水は完全に抜けることがないので、鯉が死んでしまう事故は避けられます。

ブロックを積む場合、まず基礎(池の底)を作ってから、積んでいくわけですが、このとき鉄筋を入れます。鉄筋を入れないと水圧でひび割れします。ただ、鉄筋も縦筋だけではなく、ブロック一段ごとに横筋も入れます。このとき、鉄筋同士を結ぶ細い針金があるのですが、それだけでは不十分で、縦筋と横筋を溶接してください(家庭用のアーク溶接機でいけると思います)。これで、ブロックが水圧で開いてくることが少なくなると思います。ブロックに関しては、幅15cmのもので十分です。また、そのあとモルタルを塗るのですが、別に防水モルタルを使用する必要はありません。使うに越した事はないです。ただモルタルの上から塗料を塗るのでそれが防水です。塗料はホームセンターで売っているもので、防水できそうな物なら良いです。塗料は環境にやさしい物を選ばないと、塗料からの成分で魚が死ぬことがあるかもしれないので注意してください。塗料は防水であり、コンクリートのアク止めにもなります。

型枠を組んで、その中にコンクリートを流し込む場合、縦筋、横筋は入れますがこの場合は、溶接までしなくとも、針金で結ぶだけで大丈夫です。一番気をつけなればいけないのは、型枠の中にコンクリートを流し込んだときに空気も入るので、しっかり空気を抜くことが大切です。そうしないと型を外したときに、穴が開いていた!なんて笑えない話もあります。ですから、コンクリートを流し込みつつ、バイブレーターでよく攪拌して、なおかつ型枠をコンコン叩いて空気を抜いてください。ここは業者さんに頼んだから安心な部分ではなく、しっかり伝えてかないと大変なことになるので注意が必要です。型枠の場合、水圧ではなく、バイレーター(攪拌機)の関係から15cmぐらいの幅になると思います。型枠の場合も、塗料は塗ってください。コンクリートのアク止めにもなります。

パイプは、池から濾過槽(沈殿槽)につなぐ径は125の塩ビ管で、その他は75の塩ビ管が一般的だと思われます。濾過槽は、複数のマスに分けるほうが良いと考えていますが、これらは場所しだいということでしょうか個人的には、第一層が沈殿層、第二層、第三層がろ材、第四層は全くの空でそこからポンプで池に水を帰すのが良いと考えています。ろ材の部分の層が多いほど、良いと考えています。

濾過槽は、すべてアップダウンで水が流れるようにするのがよいですので、左の写真を参考にして濾過槽同士の仕切りを作ってください。ブロックは15cmの大きな穴の開いた物を使用してください。これには横筋は入れられませんので、縦筋だけです。最小のスペースでアップダウンが作れます。これも教えていただきました。自分では考えつかなかったです。

水平のとり方ですが、ものさしの様な水平機では不十分です。プロは三脚タイプの物をしようしています。ただ高いので、教えていただいたのですが、ものさしの様な水平機に講義用のレーザーポインタをくっつけると精度がグッとあがります。まずこちららに印を着けておいて、対岸に照射するとレザーの赤い点が付くので、そこにしるしをつけて、今度はそこから、反対側に照射して、元の印にレザーの赤い点がくれば水平です。レザー光の直進性を利用しているわけです。

この水平のとり方は、池でなくいろいろな物に応用が利きます。池にハウスをかけるとか。水平が取れてないと窓も開かなくなりますからね。これも教えていただいたものです。

教えてもらったり、本で読めば一瞬ですが、自分で思いつくのは結構難しい物です。よく実感します。


16 ジャンボ錦鯉にする餌の与え方。(少し危険)


餌の与え方についてですが、よく本等や餌袋の説明書には、1回五分で程度で食べきれる量を与えてくださいと書いてあります。決して間違いでなく、このやり方であれば、鯉が死ぬことなく飼育できるよう安全性を考えて書かれていると思われます。

しかし、これは安全性は高いですが、鯉が大きくなりづらいことも確かです。鯉は食べた分の何パーセントごとに大きくなっていくわけですから、沢山餌を食べれば大きくなるわけです。小さいうちは、意外と早く餌がなくなります。しかし、鯉が大きくなってくると餌がなくなるまでに時間がかかります。つまり、小さいときは5分で食べきれる量が適正であったとしても、大きくなると5分で食べきれるような量では餌が足りません。この場合おおきというと60cmを超えてからぐらいですが、これぐらいになると、1時間ぐらいは餌が浮いた状態で残るぐらいに与えます。鯉が食べたいだけゆっくりと食べさせます。鯉も何十分もすればまた食べにきます。この+α分がジャンボへの道です。

1時間ぐらい立っても水面に残っているような餌は、網で綺麗に掬い取り捨てます。もったいないですが、+α分与えるには、水面に浮いている状態を保たないといけませんし、かといって餌をそのままにしておくと、水質の悪化につながります。餌がもったいないといっているようではダメです。ある程度体形の良い鯉いなら、何年もかければ60cmぐらいまでは生長します。それ以上は、素質と内蔵の強さです(これも素質かもしれません)。沢山餌をやって沢山食べてなおかつ体調をくずさない鯉でなければいけません。教科書通りでは、普通の鯉どまりです。死ぬ鯉も出てくるので危険なのですが、死ぬような鯉は、ジャンボにせず楽しむのが良いですね。+α分食べさせる工夫が必要です。


15 錦鯉の形質(質) 10年持つ鯉。



大きな写真


いや〜良い鯉です(少し前は親鯉!?、親鯉候補だったかな!?)。上には上がいるのかも知れませんが、、約10年たってこの体形はすばらしいと思います。この鯉の良さは一番は体形です。約10年たってこの体形を保てる鯉がどのぐらいいるかです。そういう意味での希少性を考えても価値は高いです。本来は、めったにいない鯉ほど価値が高いわけですから、、。そう考えれば、大きく体形が良いだけで価値があるのも分かってもらえると思います。

小さくて綺麗な鯉はたくさんいますが、左の写真のような大きくて立派な体形をした鯉は少ないです。小さい鯉はたくさんいるのですけど大きくなるにしたがってどんどん体形が崩れてしまいます。骨格がついていかないのでしょう。つまり形質(質)が悪いのです。

この鯉の欠点は模様の悪さです。紅白ですから小さいときからこの模様です。品評会傾向の人ならまず買わないでしょう。絶対に賞など取れませんから、、、。こんな模様でもこの鯉を買う人は、形質(質)重視の人です。回りから、”こんな鯉をかってどうするんだ〜”っていわれる風景が目に浮かびます。

どちらも鯉の楽しみ方ですが、私は形質(質)重視、しかも10年持つ鯉が好きです。なぜなら10年間、ずーとよくなりつつ成長していくわけですから、自分を長い間楽しませてくれるからです。それを見抜ける力を持ちたいと願っています。

鯉の値段は、購入後どれだけ長く楽しんだがによって、得も損もすると考えていますから、長く楽しんだ方が私的には得な鯉ということになります。

先も書いたように品評会にはむきませんが、それはそれ、鯉の世界で模様だけが先行すると、この鯉は今生きていないかもしれません。良い鯉は良い鯉として判断できる人が増えないとこのような鯉が世の中に残っていかなくなります。私が一番怖いことだと思っていることの一つです。そう、いま一番、危険なことは、よい鯉が残って行かなくなって来ていることです。長く持つ持つ鯉のピークを早めてしまうんですよね。一旦ピークに来た鯉は次は下り坂しか残っていません。

つまり鯉の持った形質(質)を分かりつつ、左のような鯉は嫌いというのは良いと思いますが、そうではなく単に模様が悪いから左のような鯉は嫌いというのであれば、この鯉が持った形質(質)、最大の特徴を理解できていないことになります。そのために良い鯉が残らないのは悲しすぎます。つまり形質(質)が見れていないのです。

私にとって模様が悪いだけで良い鯉が残らなくなったらとても悲しい事です。私は本物だけ(良い鯉)が人を感動させる力をもっていると考えているからです。綺麗な鯉は山ほどいます。感動を与える鯉はそんなに多くはありません。

鯉の形質(質)を見抜くということは、その鯉が持って生まれた特徴が何であるかを見分けることだと考えています。1年で崩れる鯉もいれば、10年以上崩れない鯉もいるわけですから。その違いを見分けることです。見分けるために、体形だ、肌質だ、緋質だ、墨質だなどと、いろいろな判断の基準としての要素があるわけです。一つ一つの基準があるのですが、面倒なのでまとめて形質(質)といっているのが現状だと思います。

数少ない鯉しかもって生まれてこない美しさを長く持続する力!、そのめったにない形質(質)をすばらしい価値として多くの人に認めてもらいたいと思っています。この鯉は約10年魅力を維持しています(まだまだ維持するでしょう)。

模様は錦鯉にとって大切な要素ですが、あくまで人の好みです。人の好みである以上、模様で鯉の絶対的な価値をつけることは出来ません。鯉も客観的、絶対的な価値の判断が大切です。絶対的な判断が出来るようになるには、いつも良い鯉を見て自分の鯉との違いを観察します(自分より良い鯉を見ることが大切です)。相対評価の積み重ねが絶対評価につながると考えています。

品評会は好きですが相対的な判断ですので勉強には残念ですけど適しません。エントリーされた中から優勝(勝負)がきまります。該当無しが早く設けられるとよいな〜と思っています。なぜなら品評会も絶対的な要素を含んで優劣をつけてほしいからです。なるべく高いレベルを維持してほしいのです。良い鯉がいないのに優勝を決めざるを得ないルール事体がやっぱり大会としてレベルが低い話です。

”1000円の鯉をそだてて品評会に出したら優勝した、だから良い鯉になった”等の話はよく効きますが、相対的判断しかしない品評会で優勝したことで良い鯉になったというのは、自分には不思議な話でなりません。優勝しようとしまいと良い鯉はよい鯉。優勝しても悪い鯉は悪い鯉です。競技ルールのなかで語られるものです。

鯉の良し悪しに品評会という言葉を引き合いに出すこと事体が好きではありません。良い鯉は賞をとらなくとも良い鯉です。賞をとっても悪い鯉はいるわけですから、、。鯉を見て良し悪しの分かる人(鯉の持つ特徴を見抜く人)が形質(質)を見れる目利きである(絶対的な評価のできる人)と考えています。準優勝だから良い鯉でないと短絡的に言う人もいますが、優勝鯉よりはるかに良い物を持った鯉はいます。ただその時点で発揮できていないだけです。つまり先が見れていません。そのような方に飼われた鯉はかわいそうです。たぶん、持って生まれた良い物を発揮する前に手放されてしまうでしょう。

形質(質)を見る力は自分が求めなければ絶対によってきません。
(私も全然ちかづいてもいません。ただいつも念頭には置いています。)

ちなみに、左の鯉さん、今は売り物でなくなったので0円ですが、ですからもらい物です。(価値が下がったのではなく、要らないので0円です。)売り物だった当時の値段は、想像以上の値段だと思いますよ。ヒント、1千万円はしません〜。でもくどいようですが、今は0円です。

あくまで形質(質)の話であって、良い鯉しか人を楽しませないのか!?と問われればそれは別問題です。自分の好きな鯉が世界一です。どんな鯉でも楽しめます。ただ、自分が好きなのと、客観的に判断して良い鯉とはまた話が違います。冷静に判断して鯉の評価として良い鯉かどうかの区別が出来るようになりたいか、なりたくないかだけの話です。



14 簡易ハニカム濾過槽(三重県白山養鯉場さん考案)


全景
写真大



注水口
写真大



ハニカム1
写真大



ハニカム2
写真大



ハニカム3
写真大

私個人的には最高だ〜!!

私が今のところ、最高の楽ちんメンテナンスと高い濾過能力を誇ると思っているハニカム式の簡易濾過槽の写真です。考案は、地元三重県の白山養鯉場さん。ハニカムろ材自体は、石垣工業が特許をもっているらしく、代理店さんからしか購入できません〜。

全景写真が稼動中の状態。右が濾過槽です。池と濾過槽で4t足らずなので、濾過槽の容量としてはとしては大きいですね。普通の愛好家が飼育する上では、この大きさですと年に1度の掃除でいけるのではとのことです。

構造。
構造は簡単で、池から水を注水槽に入れて、注水槽と濾過槽の仕切りの下には隙間があいているので、そこから水がハニカムを下から上に通過して池に戻るだけです。沈殿槽はありません〜。真ん中についている塩ビ管が、オバーフロー兼、塩ビ管を抜くと簡易濾過槽全体の排水となります。

ハニカム1の写真が、あまり汚れていない状態。洗ったのだと思います。

ハニカム2の写真が、超汚れた状態です。1と2にでは、全く同じタイプの濾過槽ですが、2の池は同じく4tで、紅白をジャンボ当歳に飼育中です。一日の給餌量は一升半、計量カップ15杯程度です。朝7時ごろから5時まで、8回程度。ですので、超汚れています。この状態で2〜3週間はたっていると思います。ハニカム特徴は、汚れは上に溜まる感じになることす。ですからこの上のヘドロのようなものをどけると、中はつまっていません。ちなみにこの汚れを取って、匂いをかがしてもらいましたが、コケの様なにおいで臭い匂いは全くありませんでした。バクテリアが活発に働いているのだと考えられます。ちなみに池の水は、薄茶色(餌の色)になっていますが、底まで見えますよ。

ハニカム3はもっと拡大した写真で、水面ですので、ハイカムの表面に効率よく藻が生えているのが分かります。このような状態でバクテリアがつくのでしょう。本来はフタをするので、藻は生えないと思います。

掃除の仕方。楽ちんです。
まず、ハニカム2のように汚れが溜まったら、それを手で取り除きます。何で取り除いても良いのですが、あまり硬い物を使うと、薄いプラスチックのハニカムろ材が壊れます。汚れを取ったら、注水口にある、塩ビ管を抜いて排水。そして、ハニカムの上から水をかけて汚れを流し落として終わりです。ハイ以上です。
白山では、水がもったいないので、水中ポンプで水をキャンパスに移してから、ハニカムをその水で洗い、残った水を戻していると言っていました。水槽と一緒で出来上がっている水を捨ててしまうのはもったいないし、資源の無駄づかい削減にもなりますものね。かしこいな〜と思いました。

簡易濾過槽の大きさ。
内計しかわかりませんが、130cmx90cmx80cm(深さ)型抜きFRPを使用しているので上面よりも底の方が狭くなっています。。、そのうち注水口部分の幅が20cmとなっています。ハニカムは規格品で大きさが決まっているので、横に2枚、立てに5枚重ねてあり、計10枚入っています。水量800Lぐらいでしょうか!?

簡易濾過槽の入手法。

詳しくはわかりませんが、近くの工場で型を作ってもらってあるようで手作りで作ってもらえるようです。結構厚みのあるFRP性で、たぶんですが、ポンプは別で、ろ材を含めると13〜14万円というところではとのことです。ハニカムが10枚ですから3万〜4万はするでしょうし。なんといっても沢山売れる物ではありませんので、、。高いと見るか安いと見るかは各個人の判断です。確かに安くは無いですけど、これを売っても白山はなにも儲かりません。考えただけなので、、かわいそう。

白山もこれにたどり着くまでには、試行錯誤している。
昔は定番の、石とか砂利とかから始まり、ビニロック、ネット、ブラスチックろ材、ロールろ材、等々、話を聞いていたら、ほとんど全部試しているかのような印象を受けました。ただ、これにたどり着いてからは、ほぼハニカムろ材を使用しているそうです(一箇所だけロールろ材が残っているところがあるようです)。簡易濾過槽のこのタイプでも20tぐらいまでは何とかなるのではと予想していました。鯉の本数と餌の量は考えないといけません。

現実に池の深さ1.5m、水量70tで、7tのハニカム濾過槽で調子の良い状態で飼育している愛好家がいるので、濾過能力は高いと思われます。白山にしてみればもっと濾過槽の水量を取ってほしかったようですが出来上がったらこのようになっていたようです。ですので推奨ではありません。


13 親鯉の形質(質)



写真が下手で申し訳ないのですが、これが親鯉になる形質をもった鯉です。70cmぐらいだと思います。肌の違いを見てもらえれば良いと思います。顔周りがよくわかると思います。肌が澄んでいる(透明感がある)のがわかると思います。こうでないと親としては物足りません。品評会用の鯉とは違いますから、、。緋がが荒れているように見えるかも知れませんが、綺麗になるように整えてありませんので、これはこれで十分です。細かいアラはどうでもよく、全体を見たときに、明るさが伝わってくる鯉ですね。それも肌の良さからくるものです。緋の色は関係ないですよ〜。緋の色は鯉の個性です。良い鯉です。

下の大正三色の2つ目の写真の右にちょろっと写っているのがこの鯉です。それを見ると下の大正三色のすばらしさがより引き立ちますね。


12 錦鯉の最高形質(質)




写真が下手で申し訳ないのですが、私の考える最高形質(質)に近い大正三色の姿です。親にもなれます。
この鯉は当歳からの飼育で6歳で、80cm弱ぐらいです(一度野池に入っています)。まだまだ美しさを伸ばしています。正直、この大正三色は特別クラスです。

良い形質(質)の錦鯉とは、大きくなったときでも、当歳時の輝き失わない鯉である事を実証する鯉です。

ともかく、緋の明るさは驚くばかりです。上に写っている大正三色と比べてもらえば、緋の色合いでなく、いかに鯉自体が輝いているかわかるはずです。銀がかんでいるからではありません。肌が良く緋が明るいのでこのように見えるわけです。テカッていますね。ピカピカです。体型も良く自然美があふれています。

鯉は、模様は好み、その他の形質(質)がいかに重要なものであるかを教えてくれる鯉です。
これが私の考える本物の鯉です。本当によい鯉と言いたくなる鯉です。究極ではありませんが三色としては限りなく近いです。求める方向性は同じ鯉です。

ちなみに、肩口の白地の部分に、墨がもっとあれば、なおいいのでは!?と思う方もいるかもしれませんが、この鯉クラスになると、出ようが出まいがすでによい鯉ですので、その部分はおまけみたいな話です。

育てているうちに本領発揮してきていますが。初めからこの鯉が持つ飛びぬけた素質に気づいていたことも重要な点です。見極めなければ手に出来ません。運ではありません。しかし、なぜこの鯉が当歳で販売されたか!?そこを考えるのも重要なことです。販売する側は気が付いていなかった、購入する側はすでに気が付いていた。不思議な話ですね〜。何がそうさせるのでしょう。



11 錦鯉の色揚げ飼料について。


このページに遊びに来てくれている人は、知っているかと思いますが、私は色揚げ飼料をほとんど使用しません。
鯉の緋色は真皮内にあるカロテノイド色素を取り込む色素胞と呼ばれる細胞の集まりで出来ています。色揚げ飼料は、カロテノイドを豊富に含んだ餌でカロテノイドを吸収させて、緋の色を赤くするために使用します。多くの餌では、スピルリナを中心に配合されていますが、スピルリナのカロテノイド量はかなり多いです。

カロテノイド類は通常、健康には害がないはずですが、人間でもたくさんミカンを食べると肌の黄色くなる柑皮(かんぴ)症というものがあります。ミカンに含まれるカロテノイド類の一種β-カロテンの取りすぎによって色素が皮下脂肪などにたまった状態です。食べ過ぎのサインです。

色揚げ飼料については、賛否両論ありますが、少なくとも与えると、その鯉の持った形質(質)が分りにくくなるのは確かです。与えてしまうと、生まれ持った緋の色に関わらず、緋色は真っ赤になりますし、肌も黄色くなって来ます。その中から、形質(質)を見抜くのは至難の業です。肌も黄ばみますので、本来の肌の白さが分りづらいです。よく見れば違いは分りますが、あえて難しくしているのは確かです。ですから鯉を勉強するという点からは良いことはありません。通常に育てて、緋の変化や肌の変化を見て行く方がその鯉の持つ特徴をつかみやすいです。

私の考えですが、
鯉の健康面から考えると、もともと色素を取り込む色素胞を持っている訳ですから、これらの細胞は、色素を取り込みやすく出来ていはずです。鯉の肌が黄色くなるほど色揚げ飼料を与えると、その時点で、体内の色素胞内のカロテノイド色素量は限界に達しているのではないかと思われます。

肌が黄色くなる時点で過剰摂取だと考えています。それ以上の投与は意味のないことです。この辺りは注意が必要だと思います。どんな物でも過剰摂取は体に負担がかかります。肌が黄ばむほど与えて、その後、餌を通常に戻せばよいという考えでは、緋盤に負担をかけ痛める可能性があります。あくまで可能性ですが、一度痛んだ緋盤は元にはもどりません。赤くテリの少ない緋盤の印象になります。確かに赤いのは赤いです。ですからまだまだのびる可能性が残っている段階では、無理はするべきではなく、与える場合も肌の状態をみつつ、カロテノイド色素を必要十分だけ与えるべきだと考えています。

鯉の緋盤の色は、いろいろな色合いがあるのが本来の姿だと考えています。私はそれを個性だと考えていますから、何でも真っ赤にしてしまう色揚げは、十分気をつけて与えないと鯉の個性をなくす物であると考えています。鯉が本来持つ個性を発揮するように飼育するのも大切です。それが自然美というものでしょうしね。模様をいじらなくとも自然美ではないものもあると考えています。



10 錦鯉のシミの取り方。


1



3

4


シミの取り方について説明します。シミをとるのを整形を見なすかどうかはいろいろな考えがあるでしょうが、私はシミはとるべきであると考えています。シミを自然美というにはあまりにかわいそうな気がします。
シミとは、黒い点ですが、多くの場合、緋に出来ます。これは、緋が元々黒い色素から出来上がっていることの名ごりであるともいわれています。シミを残しておくとシミを呼ぶ話もありますので注意が必要です。

ともかく、シミは気になるならないはともかく、どんな模様の鯉でもシミがないほうが綺麗です。そういう点からも、模様を変える整形とはまったく別次元の物ととらえています。鯉にメスを入れる点だけを判断材料にすれば、整形も、シミ取りも同じ土台になります。このあたりのは各個人で判断して下さい。

1 まず鯉を麻酔にかけます。このとき”ねむーる”を使用した方が良いです。FA-100は使い方を誤ると鯉が死にます。”ねむーる”で事故が起こることはまずありません。鯉が動かなくなるまで眠らせてあげてください。

2 2つ緋盤の鱗に黒いシミがあるのがわかりますか?、3の写真に写っているようなメスを使ってシミを取ります。今回は表皮(鱗の上の部分)にシミがあったので、その周りをメスで円形に切れ目を入れます。切れ目から鱗と平行にメスを入れて表皮を浮かせるような感じで、横に切れ目を入れます。

3 大体切れ目が入って、表皮がシミと一緒にとれかかったら、はさみで、表皮を切り取ります。写真3

4 拡大写真です。完全にシミは取れました。今回の場合は、鱗の上のシミでしたので簡単です。作業して頂いたのはお店の方です。この部分でもハイレベルを誇りますが、模様をいじるのは好きでないという理由で、模様はいじりません。飛び緋の掃除はします。(購入後頼んだらどうなるのかな〜。私はそれを望みませんので分りません)

5 そのまま水に返してあげて下さい。麻酔の関係上、沈んでいきますがビックリする必要はありません、そのうち浮いてきます。30分ぐらいすれば元に戻ります。

注意事項

麻酔は規定量を守って下さい。

表皮といっても鯉に少し傷が付くことは事実ですから、水温の低いときに行うと、患部に水カビ等の感染症を起こすことがあるので、鯉の体力がある温度が上がった時期にしないといけません。すぐに治っていきます。



9 当歳鯉は骨格つくり。


当歳魚を育てる上で重要な点は、骨格を作ることです。太らせる事ではありません。

骨格を作るには、カルシウム分が必要です。カルシウムは餌を食べて吸収します。カルシウムが強化された餌を考えるのも良いですが、今の餌はよくできていますから特別な物を使うこともありません。成長に合わせミネラル分が足りるだけの餌を与えれば良いだけです。通常それだけの餌を与えると、どうしても肥満になってブクブクになってしまいます。餌を与えて太らせないことを考えなければいけません。答えは簡単、そう、運動させることが大切です。運動させてカロリーを消費させます。骨格を作って太らせないのが当歳の重要なポイントです。太らせるのは、骨格作りをしたあと徐々に年数をかけて行なえばよいことです。

大きな池では運動量が自然と稼げますが、特に加温飼育等で水量が稼げない場合は、エアレーションを強化して、水流を作ります(激流ではありません)。動かざるを得ない状態を人工的に作ります。餌を少量づつ回数を分けて食べさせます。餌を食べる行動もよい運動になります。そうすると骨太の丸太のような体の硬い当歳が出来てきます。可愛そうですが、そうしないと、骨格を作るだけのミネラル分を満たす量の餌を与えるとカロリーオーバーとなり肥満状態です。ブクブク鯉にになってしまいます。健康的でありませんし将来体型の崩れやすい鯉になってしまいます。鯉のためを思って運動させましょう。

餌を追いかけて食べるという行動は、鯉にとってとてもよい運動です。小さいうちは泳がないと(泳がせないと!?)いけません。限度というものもありますから、そこはバランスです。

水温が高いほど、水中の溶存酸素量が減ります。なおかつ運動させるわけですから、酸素の消費量は上がります。結果、エアレーションが少ないと酸欠になるので注意が必要です。この点も考慮に入れると、エアレーションの強化は、すべてを良い状態(酸素の供給、運動量の増加)に持っていってくれます。特に過密飼育は注意が必要です。ただ、水量に対して、ある程度の匹数は必要です。それが餌を奪う競争にもつながりますし、結果、運動につながります。

骨格の強さも生まれ持った形質(質)の一つですから、購入時に骨格が良い物を購入するのも前提です。これらはその後、それを引き出すためのことです。優しすぎても厳しすぎてもいけません。


8 当歳鯉をジャンボにする。


当歳鯉をジャンボにする利点はなんでしょうか?、鯉側にとっての利点は別にありません。ジャンボ当歳が将来大きくなる補償は何もありません。大きくなる形質(質)を持った鯉は、ゆっくり育ててもちゃんと追いつきます。

鯉を育てていく上で、特に2歳立て(野池に入れる)にはジャンボにすると得する点があります。ジャンボの目安は40cmです。40cmにするというのは意外と難しいものです。この40cmという数字が大切な点です。加温して餌を与えるわけですが、40cmになると押せば白子を出す物がでてきます。こればオスとして、野池に入れなくてよくなりなります。立てる鯉(大きくする)は基本的にメスです。無駄な餌代が抑えられます。次、これが重要なポイントなのですが、40cmは鵜が狙う狙わないのギリギリの数値です。40cmあると10本入れて8本ぐらいは揚がってくるぐらいまで鵜の被害を減らせるそうです。立て鯉は将来を見込んだ鯉ですので、鵜の被害は無視できません。鵜のいる地域では、その存在を無視できません。ジャンボにするということは、2歳立て用の自衛手段でもあるわけです。

鵜はすさまじく、稚魚池に鵜が入ったら、その池はほぼ全滅です。三重県は鵜がいますので、稚魚池は完全に網で覆わないと稚魚を育てられません。

鵜がいる地域でも簡単なテグスでよい場合もあります。多くの場合、このような地域は河川に魚が豊富な地域です。あえて危険を冒しません。鵜は賢いですね。



7 どれを立てますか?


5匹の明け2鯉がいますが、どの鯉を立てますか?(大きな鯉にする)

私なら 、迷わず1番。これがこのサイトの趣旨でもあるわけです。鯉は体型です。大正の中での質もトップです。
実は、どの鯉も良い鯉ばかりなのですが、模様が目立つ3番は、大きくなったら模様がスカスカになってしまい楽しくなくなります。模様のバランスが崩れます。2番も良いですが、体型が1番に劣ります。5番の紅白もとてもレベルが高いですが、1番の体型には勝てません。

現状で持っているものを評価することも鯉には大切です。あくまで予想でしかない墨などを気にするよりも、目の前の現実を見るべきです。体型は家にたとえると基礎土台にあたります。模様はその上に立っている家の形です。洋風とか、和風とか。どんな良い家でも基礎がしっかりしてなければ傾きます。土台があって初めて、模様が語れるのです。最悪でも体型さえしっかりした鯉であれば観賞できます。

しかし、当たり前ですが、こうして比べると、大正と紅白の緋は違いますね〜。


6 大正三色の緋


写真は、1、2、3が大正三色、4が昭和三色の当歳です(ゆがみは水面の波です〜)。

大正三色、昭和三色の緋は紅白に比べて本来暗いです。明るさが足らないのですね。でもそれが普通なのです。墨物の鯉はそういうものです。

写真を見てもらえば分かりますが、1、2の大正三色の緋の明るさ、白地の良さはすばらしい物があります。ただ、3は緋にムラがあるので質的に落ちます(白地は悪くないと思います)。1、2の鯉の良さは、体型、明るい緋質、白地と三拍子そろっています。このような大正三色の当歳はそうそういません。特にこの緋の明るさに注目して欲しいです(それを引き出しているのは、白地の良さなのですが)。このような明るさを持った大正三色はそういないです。

また、2の真ん中の緋の端がギザキザとなっていますが成長と共にと丸くなってくるようです。
(当歳ですので少々の荒さはあって当然です。)

4の昭和の緋が少し暗く見えますが、これでも通常の昭和の緋より少し明るいぐらいです。

質の良い大正三色とはと聞かれれば、1、2の鯉ですと答えるでしょう。
(模様的には、2だと思うのですが、泳いでいる状態を見ると1が大きくなりますね。写真では分かりません。)

こんな模様では〜と思われる方もいるかもしれませんが、ジャンボ鯉になれば模様は気にならなくなります。正直、これほどの当歳はそうそういません。が、模様が気になって当歳では売れないのですよね。それが2歳3歳になって見違える鯉になると売れていきます(値段は10倍以上になるでしょう)。ほんと不思議な世界です。

当歳ですので、生産者は来年の立て鯉様に残しているのはこれ以上でしょうけど。
墨物は、明るさが大切です。その重要なポイントが、緋の明るさなのです。あとそれを引き出す白地。


5 錦鯉の成長具合。


 鯉の成長具合です。


1年目の当歳を冬に加温し大きくした場合。(現代風) 1年目の当歳を冬に加温しない場合(昔風)
1歳(当歳) 5月生まれ 1歳(当歳) 5月生まれ
2歳 5月 〜40cm 野池 11月 60cm 2歳 5月 20〜25cm 野池 11月 50cm弱
3歳 野池 11月 70cm弱 3歳 野池 11月 65cm弱
4歳 野池 11月 75cm程度 4歳 野池 11月 72cm程度

すべての鯉がこのようになるわけではありませんが、大きくなる鯉はこのような感じになって伸びていきます。
一つの壁は75cmといわれていてここをすっとクリアーできるかがポイントです。そうでないと中々80cmは超えることはできません。

重要な点は、2つの育て方で、2歳の春での大きさが全然違いますが、4歳になるとほとんど違いがなくなるのが分かります。5、6、7歳となっていくに連れて、大きくなる要素の個体差の方が大きくなって1年で伸びる量もバラバラです。このあたりで足踏みして成長しない鯉はどんどん抜かれていくでしょう。
結局、1年程度の成長の遅れはあとでいくらでも追いつけます。

2歳の春で、35〜40cmともなればジャンボ当歳とか呼ばれる場合が多く、人気の鯉となりますが、ジャンボなのは加温飼育しているからであって、自然に冬を越してジャンボになったわけではありません。自然に冬を越した鯉でも、ジャンボになる素質は十二分にある話です。冷静に考えれば、ジャンボ当歳が将来、ジャンボになるかどうかは不明です。微妙に可能性は高いかも知れませんがあくまで未知数ですね。

どんな鯉でも鯉である以上、長い間飼えは60cm弱ぐらいにはなりますよ〜。


4 錦鯉の肌(当歳の白地)


1と2と3の3匹がいますが(同じ親からの子)、1と2は全く違う形質の鯉です。2と3は似ています。
さてこの鯉たちはどのようになるか予想がつきますか?

1と2との最大の違いは、白地の違いです。1は白地が透き通った感じです。2は白地が透き通った感じではなく、皮厚な厚みのある白地です。どちらも黄ばみのない白地でが、白地の質が違うだけで
す。

当歳の白地です。当歳の白地ですので、2歳3歳の白地と勘違いしないでくださいね。
以下の話は、あくまで当歳鯉の話です。


現状では、誰が見ても1の鯉が一番綺麗に見えます。
ただ、将来、大きくなる可能性のある鯉は2の鯉です。1の鯉は、大きくなりづらい鯉です。大きくしてはいけない鯉ですね。白地が私たちにそれを教えてくれます。
これらは、先人たちの長年の経験から分かっていることです。
生き物ですので100%という事はぜったにありませんが、確率の問題です。

よくよく見てみれば、骨格も2の方がしっかりしていますし、緋質も2の方が上です。2の緋は均一性、厚みとも問題ありません(1が悪いわけではありません)。これは写真でも分かりますね。しかし、今回は白地に注目です。

紅白は生まれたときの模様が変わりません(白地がでてくるので、模様のイメージは変わります)。模様は、1が抜群です。4段で綺麗です。 2の模様は現状では全然ダメです。ですので当歳でほとんど売れません。値段も、通常そのときの綺麗さも価格に反映されるので、高い順番は、1、3、2、となります。ですので、今綺麗な1のタイプの鯉がよく売れていきます。

2は5年も6年もしてから真価を発揮してくる鯉です。

1は通常に成長させていけば、2に絶対に負けますので、長持ちはしない鯉です。ただ、大きく伸ばさないなら楽しめます。つまり水槽で大きくせずに飼えば綺麗さを持たせることができますし、見た目の模様も抜群です。

大きな鯉は体型です 。模様など関係ありません。例外的に大きな鯉で体型が良く模様も良いのもいますが、そちらが例外的だと考えた方が良いと思います。そんな鯉はそうそういません。

結局、目的にあわせて購入すればよいことなのですが、
1は、小さく楽しむ人用の鯉。
2は、大きくして楽しむ人用の鯉です。
(だんだん綺麗になるし、大きくなるには時間がかかるので、結果的に長く楽しめる鯉です。)

1のような小さく楽しもうという鯉を、大きくしようとして飼育しても早い時点で限界点がきます。1のような鯉を購入して、高い値段を出したのに、大きくならないという不満をききますが、そう、最初から大きくならない、してはならない鯉を購入しているのですから、ならないのが当然なのです。鯉は値段が高いほうが自分の目的に合うとは限りません。特に当歳では、その時点での綺麗な鯉のほうが高値がつくことが多いです。鯉やさんも、綺麗な鯉よりも、(将来性があっても)綺麗でないもの(見栄えがわるい鯉)に高い値段をつけられません。ですので、将来性のある鯉で売りたくないのは、見えないとこに置いておいて売りません。来年からの立て鯉にします。

緋も色ですが、白地も白という色です。白地からその鯉がどのようになるかある程度は予想がつきますので、購入時の選択には欠かせないものです。将来の目的にあわせて購入鯉を選びましょう。


3 錦鯉の年齢の数え方。


鯉の年齢の数え方です。以前、掲示板で質問があり私の答えが間違えていたようなのでゴメンなさい。

鯉は、生まれた年がすでに1歳でした。0歳はありません。数え年(かぞえどし)です。
しかも1歳のことをなぜか当歳と呼びます。

2003年度生まれの鯉は、五月に生まれたと仮定して、
2003年5月から2004年5月までが当歳です。しかしながら、数え年なので年が明けると2歳と考え、明け2歳と呼びます。つまり、店によって微妙に違うかも知れませんが(明けという言葉を使わないところもあるので)、

2003年5月から2003年12月31日まで当歳、2004年5月までが明け2歳。
2004年5月から2004年12月31日まで2歳、 2005年5月までが明け3歳。
2005年5月から2005年12月31日まで3歳、 2005年5月までが明け4歳。
という具合になるようです。

鯉は生まれたときが1歳(当歳と呼ぶ)でした。年齢は意外とややこしいので、何年度生まれの方が分かりやすいかもしれませんね。というか絶対にわかりやすい。

満で数えるときもあるし、数えでいうときもあるし、結局、満と数えの区分を明けという言葉でつないでいるようで、ともかく、ややこしいです。私は何年度生まれといわれないとピンときません。


2 錦鯉の体型(当歳時の秋)



秋、田上がりの当歳の体型は、写真のように胸鰭の部分に幅があるのがよい体型といえます。これらは、まだ15〜18cm程度ですので、とても幅がありすぎてアンバランスなように思えますが、大きくなれば他の部分に肉が付いてバランスよくなります。もともとの生まれ持った骨格がすばらしいということですね。このぐらいの骨格でないと大きく成長したときに良い体型にはなりません。

写真が昭和なので、昭和中心に話を進めます。

写真は、すべて良い鯉ですが、その中でも1番が体型、緋質、墨質のトータルでよい鯉です。墨質は特に目の上にある墨の密度(濃さ)がそれを表しています。
実は昭和の当歳のポイントは緋質です。すべての緋にムラのない鯉を選ばないといけません。墨は変化しますが、緋は変化しませんので、緋質の悪い鯉は一生、緋が悪いのです。それでは良い鯉になりません。昭和は、墨が豪快な品種ですので、当歳時も墨ばかりを見がちですが、緋質を見ないといけないのです。1番の鯉も厚みのあるねっとりとした緋でムラもありません。見落としがちな緋質を重要ポイントとして見れないうちは良い昭和を選ぶことは出来ません。


昭和ですので、緋模様はあまり関係なく選べる品種です。つまり墨が出てくる場所によって印象が変わるため、緋模様はあまり意味を成しません。これが紅白であれば、紅白の模様は一生ものなので、模様も選考基準に入れるべきでしょう。写真の鯉が紅白なら緋模様は落第点ばかりです。

また、墨模様が出ていないと思われる方も見えるかも知れませんが、当歳の時から墨模様がしっかり出ている鯉は、それが完成品(仕上がりが早い)ですので今後(大きくなったときに)良くなる可能性が低いです(小さく楽しむには見栄えの良いそちらの方がよいでしょう)。また、鯉はオスのほうが仕上がりが早いですのでオスの可能性が高いです。この時期はこの様に墨はちょろっとあればそれで十分です。こちらが本来の姿かもしれません。

これらのことは生産者、小売店は知っているので、まず、体型の良い鯉を選んでもらって、次に墨でなく”緋質がいちばんよいのはどれ?”と聞けば、”こやつなかなかやるな!”となるわけです。墨ばかりしか言わない店は、知っていて内緒にしているか(早く悪くなる鯉はささっと売ってしまいたいですからね〜。)、レベルの低い店です。


1 錦鯉のサシとキワ


2003.11.3撮影

サシは、緋盤(赤い模様の部分)の全面の鱗と鱗の重なった部分のところです。緋のある鱗と一枚前の緋のない鱗が重なって、ピンク色に見えます。この部分の重なりが均一に並んでいる物が良質だといわれています。サシの部分は鱗1枚か2枚分が良いでしょう。

キワは、緋盤の後方の部分です。この部分の、緋のある鱗だけがはっきりしており、次ぎの鱗に緋のにじみがないものが良質といえます。

左写真のkoiは サシが均一で、キワもはっきりしており良質といえます。
写真の鯉は、田中養鯉場の売り出しに行ったとき撮影したものです。勝手に使用してゴメンなさい〜。


コイパーク総合メニューに戻る